油井亀美也宇宙飛行士がISSから撮影した国立天文台ハワイ観測所すばる望遠鏡です。

Credit: Kimiya Yui, JAXA, NASA

国立天文台ハワイ観測所すばる望遠鏡は、アメリカ・ハワイ島のマウナ・ケア山頂(標高4,205m)にある日本の国立天文台の大型光学赤外線望遠鏡です。1999年1月ファーストライト(試験観測開始)です。主鏡に直径8.2m、有効直径(実際に使われる部分の直径)8.2mという当時世界最大の一枚鏡をもつ反射望遠鏡でした。主鏡はアメリカのコーニング社で超低膨張率ガラスを製作し、コントラベス社で精密研磨して7年以上の歳月を費やして製造されました。2015年4月時点で世界最大の一枚鏡望遠鏡は、アメリカアリゾナ州にある大双眼望遠鏡の8.4m鏡。また分割鏡では、スペイン領ラ・パルマ島のロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台にあるカナリア大望遠鏡(有効直径10.4m)です。すばる望遠鏡には高度な技術が多数使われています。大きな特徴の一つとしては、コンピュータで制御された261本のアクチュエータにより主鏡を裏面から支持することで、望遠鏡を傾けた時に生じる主鏡の歪みを精密に補正し、常に理想的な形に保つ「能動光学」と呼ばれる手法が挙げられます。また、天文台の建物そのものの形状を通常の半球形ではなく円筒形のドーム形状にすることで、地表付近の乱気流がドームを迂回するようにしています。観測装置の物理的なセットアップ以外は、約30km離れたハワイ島最大の町ヒロにある国立天文台ハワイ観測所のヒロ山麓施設から遠隔操作で天体観測が行われます。

地上の様子はこちらです。

Credit: Wikipedia

参考文献: Kimiya Yui’s Tweet
地球俯瞰画像を見る: LiVEARTH