若田光一宇宙飛行士がISSから撮影した、チリ・サンチアゴの約670km沖にあるファン・フェルナンデス諸島のアレハンドロセルカーク島、ロビンソンクルーソー島(旧名マサティエラ島)付近のカルマン渦です。

Credit: Koichi Wakata, JAXA, NASA

カルマン渦は、流れのなかに置かれた障害物を動かした時、その後方に交互にできる渦の列のことで、自然現象では、この画像のように、島の風下側に雲渦が形成されることがあります。高さ1km付近に顕著な気温逆転層があり、山頂がその上端よりも高く、風向がほぼ一定で比較的強い風が吹くなどの一定の条件がそろうことが重要とされています。ハンガリー人の流体力学者セオドア・フォン・カルマンにちなんで付けられました。ちなみに、ファン・フェルナンデス諸島とは上記2島とサンタクララ島の3つの島からなる島々で、行政上はチリのバルパライソ州に属します。岩肌がむき出した地形の火山性の諸島である。南緯33度・西経80度付近に位置し、チリ本土との間にはペルー・チリ海溝があってペルー海流が北上します。16世紀中頃にスペインの航海者、ファン・フェルナンデスによって発見されました。18世紀初頭にスコットランド人航海長アレキサンダー・セルカークが置き去り刑にされ、その後、救助されるまでの4年間、一人で生きていたことで知られ、アレハンドロ・セルカーク島は、彼の名前に由来します。また、セルカークの経験をモデルにダニエル・デフォーの小説『ロビンソン・クルーソー』が書かれたと考えられており、諸島最大の島(93km2)だったマサティエラ島は、1966年にロビンソン・クルーソー島と改名されました。

地上の様子はこちらです。

Credit: Wikipedia

参考文献: Koichi Wakata’s Tweet
地球俯瞰画像を見る: LiVEARTH