ジェシカ・マイヤー宇宙飛行士がISSから撮影したニジェールのアイル山地です。

アイル山地(アイル・マッシフ)は、サハラ砂漠内のニジェール北部に位置する三角形状の山塊で、西サハラ山岳乾燥林生態域の一部を構成しています。標高は1,800mを超え、総面積は84,000km2に及びます。北緯17度以北の砂漠地帯に広がるアイル高原は、平均標高500~900mで、サヘル気候にありながら、多様な生態系を有しています。牧畜や農耕を営む多数のコミュニティが存在するほか、地質学的・考古学的に極めて重要な遺跡が点在しています。地域内では先史時代の様相を物語る注目すべき考古学的発掘が行われており、過去の人類活動を示す貴重な証拠が多数発見されています。また、絶滅危惧種であるアフリカン・ワイルド・ドッグ(Lycaon pictus)がかつてこの地に生息していましたが、現在では人間の人口増加によって地域から姿を消した可能性があるとされています。アイル山地の一部はテネレの一部とともに、「アイル・テネレ自然保護区」としてユネスコの世界遺産に登録されています。
地上の様子はこちらです。
参考文献: Jessica Meir’s Tweet
地球俯瞰画像を見る: LiVEARTH