ESAの宇宙観測衛星Copernicus Sentinel-3が撮影した地中海を越えるサハラ砂漠からの砂(ダスト)です。

Credit: EU, ESA

大気中に巻き上げられる砂の量はサハラ砂漠が最大で、また、海洋に堆積する砂の半分以上はこの北アフリカのサハラ砂漠によるとされています。砂嵐は土壌を剥ぎ取る、農地の生産性を下げる、車両や航空機の視界を遮るなどのマイナスの効果がありますが、驚くことに、プラスの効果もあります。熱帯雨林には鉄分などが乏しいのですが、サハラの砂粒には植物の成長に不可欠なリンが豊富に含まれており、大西洋や南北アメリカに養分を供給しているとされています。洪水や自然風化などで傷んだアマゾン地域の土壌に養分を供給している、つまり、生物の宝庫であるアマゾンの熱帯雨林の成長が少なからずアフリカ大陸の砂によって育まれている可能性もあると指摘されています。

参考文献: Copernicus EU’s Tweet
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