ESAの宇宙観測衛星Copernicus Sentinel-2が撮影したタンザニアのナトロン湖です。

ナトロン湖はアルーシャ州ロリオンド県にある強アルカリ塩湖です。グレート・リフト・バレーの谷底に連なる一連の湖の一つで、東リフト・バレーに位置しています。湖の大きさは降雨量によって変動しますが、最大で長さ57km、幅22km、水深3mです。中央ケニア高地に大きな集水域を持ち、主な流入河川は北から国境線を越えて流れ込むエワソ・ンギロ川と北西から流入するペニンジ川です。また、湖の底や周辺から噴き出す、熱くソーダ分に富んだ湧水も湖水を養っています。流出口は地表・地下ともに無く、水の損失は蒸発のみによって起こります。ナトロン湖は、その非常に高い蒸発率によって特徴的な色彩を見せます。乾季の水が少ない時期は、湖水の塩分濃度が上昇し、好塩性微生物が繁殖をはじめるレベルに達します。好塩性微生物はある種の藍藻類を含み、藍藻類などが持つ赤い色素が湖一面に広がる深い赤みを生み出し、浅瀬をオレンジ色に染めます。湖面に析出するアルカリ塩の固形物も、湖に住む好塩性微生物によって時として赤やピンク色に染まります。
地上の様子はこちらです。

参考文献: ESA Earth Observation’s Tweet
地球俯瞰画像を見る: LiVEARTH